「そっくりお絵かき」
”そっくり”をテーマに自由に描いてもらいました。
”そっくり”の受け止め方は自由。写生でもいいし、そのものを画用紙の上におき、直になぞってもOK。ただし、色はそっくりじゃなくていいことにしました。見えている色じゃなくて、好きな色、模様も入れてもいいことに。
ある意味、かなりの難題です。明らかに戸惑っている子もいれば、嬉々として空想の世界に入っていく子、さまざまです。
小学5年生 工具や刷毛などを構成して生きものに見立て、
その上に金網をなぞって重ねました。オリの中の不思議生物…さすが!
そんなの簡単! といってクーピーを描き始めた1年生。
ものすごい集中力で描きはじめました。すごい、そっくりです。
でも、よくみてください。文字はそのままですが、ケースの模様が鏡写しになっています。本人も途中で気がつきました。
「あっまちがっちゃった…」そう言って消しゴムで消しかけたので、
「待って~」と慌てて止めて写真を撮りました。パチリ。
彼は描いている間、本当に楽しそうで、いつも身近なクーピーを大層愛している思いがひしひしと伝わっていました。だからこそ、見えるところから集中して描いたのですよね。これは、このとき、彼にとってのそっくりだったのです。これを一方向からの視点で間違いだとは考えたくありません。このようなことは後でいくらでも直せますし、しかも成長につれてなくなっていくものだからです。
制作において大切なのは、一番最初に見て感じたこと、それを大事にすることです。
ひとつのテーマでも、伝えたいことは、いつもたくさんあります。